《パパ活トラブル》パパ活男性が関係の終わりを告げると500万円もの手切れ金請求が!!

パパ活の関係終了を告げたら恐喝トラブルに発展

相談者は東京在住、妻と二人で円満に暮らしている50代最後の年を迎えた男性。
相談者らは若い頃に出会い、二人の時間を大切にしたいと子供を持たない夫婦でした。

ある日の週末、相談者は仕事が早く終わったので、興味本位ではじめてデリヘルを利用することに。

サービスが終わり他愛のない話をしてみると、とても物腰が柔らかく、相談者は女性のことを気に入りました。

それから仕事が早く終わった際にはデリヘルを利用することになり、毎回女性を指名。
女性との会話はいつも楽しく、ある意味子供のいない相談者にとっては娘のようにも感じていました。

そんなある日のサービス後、相談者は「プライベートでも会わない?」と誘ってみることに。
女性はいつも呼んでくれる上客だったからか、誘いを受け入れてくれました。

相談者は妻にバレないようにため、女性とはLINEでのみやり取り。
だいたい月に1度の割合で、プライベートでも食事やドライブなど回数を重ねていきました。

それから半年ほどが経ったある日、女性から言いにくいけど話したいことがあると。
いざ話を聞くと、初期ではあるが乳癌になってしまいデリヘルでの勤務が難しくなってしまったことや母の介護費が嵩んで借金を抱えてしまったことを告白されました。

そして女性から「生活が大変なので、毎月10万円でも援助してもらえると嬉しい」とのお願いが。

相談者は、女性の助けになるならと承諾。
今後は月に1度会うたびに10万円を払うことを約束し、いわゆるパパ活の関係が始まりました。

パパ活での付き合いとなって約2年、女性との関係は良好に継続。
ただ一方で、相談者はついに定年を迎え会社を退職することが決定しました。

そこで相談者は、退職してからも女性とパパ活の関係を続けていけるか考えてみることに。

考えた結果、退職金は、妻から家のリフォーム費用と老後の蓄えに残しておきたいと言われており手を出せないなか、年金の受給開始時期を早めることも妻に不審に思われるはずなので選択できず。
かといって、パパ活を続けるために今までより大幅に収入が減る再就職まで行う気はもてませんでした。

今までの関係性もあり相談者としても辛い判断であったが、
会社を退職する3月、女性に対し「そろそろ関係を終わらせないか」とLINE。

すると女性は「援助がなくなれば生きていけない」と。

相談者は、気持ちが揺れ動いたものの心を鬼にして要望は叶えられないと別れを告げました。

別れを告げて約1週間後、女性のアカウントから電話が。

実際に会う以外に女性とはLINEのメッセージでのみやり取りしていたので、電話がかかってきたことに驚き、何かあったのではと思い、あわてて出ると男性が話し出しました。

男性曰く、自らを女性の兄と名乗り
「いきなり援助を打ち切るのは勝手すぎる!関係を終わらせたいなら週末までに手切れ金として500万円支払え!」と。

相談者は事情を説明し支払いを拒否すると、
「拒否する権利はお前にはない。お前の住所は知っているから支払わなければ奥さんにすべてバラすぞ!」
と男性は脅迫。

相談者は不当な請求だと思いつつも、実際に家に来られ妻にバラされれば離婚にもなりかねないことを危惧しました。

そこで、検討するから時間をほしいと打診すると
「週末までに結論を出せ」と電話を切られました。

電話が終わり、検討するとしたものの、相談者はどう対応するのが正解かわかりませんでした。
警察に相談することも頭に浮かびましたが、パパ活でトラブルになったと言ってまともに対応してもらえるものか、と自重。

ネット上に何か参考になるものはないかと「パパ活 トラブル」で調べてみると、パパ活やギャラ飲み・リベンジポルノなど最新の男女トラブルを案内している当事務所のホームページを発見。

もしかしたら穏便に解決できるのではと当東京事務所へ足を運ばれました。

パパ活トラブルへの対処を検討

弁護士は、まず相手方の兄を名乗る男性が手切れ金と称し500万円を請求したうえ、
「支払わなければ奥さんにすべてバラすぞ」などと相談者を脅したことは恐喝行為に該当し得ると説明。

(恐喝)
第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用|刑法

したがって請求された500万円に対応する必要はないと伝えました。

一方、弁護士は、相手方が住所を知っていると言っているが、本当かどうか相談者に確認。
相談者は、女性に対して何の警戒もしていなかったから、財布の中の免許証など見られていた可能性は十分にあるとのこと。

そうであれば自らで請求を拒否すると、腹いせや逆上から実際に家に来られたり手紙を送り付けてこられたりするリスクがある旨を弁護士は告知しました。

すると相談者は「妻にバレることは可能な限り避けて穏便に解決したい」とのご要望。

そこで弁護士は、代理人として相手方に対して恐喝行為であると警告し、請求を拒否することを提案。
弁護士から警告したからといって絶対にリスクがなくなるわけではないが、多くの相手方は恐喝行為が刑事事件化することをおそれ、請求を取りやめることが往々にしてあるからです。

なお残念ながら、弁護士が警告しても恐喝行為をやめなかったり、実際に家に来るなどの行動に出られた場合は、最悪奥様にバレることは覚悟しなければならないが、被害届や刑事告訴の提出を考えましょうとも。

相談者は、最悪のリスクがあることは承知の上で穏便に解決できる可能性があるならとご依頼を受けました。

弁護士による相手方との交渉

弁護士は女性に連絡。

まず依頼者の代理人になった旨を伝えるとともに、今後弁護士が窓口となるので依頼者への直接連絡はもちろん、家族などの関係者に連絡しないように伝え、了承を得ました。

まず依頼者に対して金銭の請求をしていますよねと確認すると、女性は
「請求した覚えはない。依頼者が勝手に支払うと勝手に言っていただけで、こっちから請求していないし、請求する気もない」と。

弁護士からの連絡で金銭請求することが無理だと考えたのか、請求をしていないと当初の内容から一変。

そこで、弁護士は今後金銭請求及び恐喝行為などを依頼者に対してするつもりがないかを念押しすると
「そうですし、する予定もございません」との回答を得ました。

相手方より言質が取れたので連絡を終え、依頼者に対して報告。

念のため最後の連絡から1か月間様子を見たものの、当事務所にも依頼者にも相手方からの請求や接触はありませんでした。

結果、事実上500万円もの請求をブロックすることに成功し、妻にバレることなく穏便に解決するにいたりました。

今回の事例に即した弁護士からのコメント

今回はパパ活の関係を終了することを告げたことによってパパ活トラブルに発展し、手切れ金名目での恐喝された事例を紹介しました。

パパ活の多くは長期間にわたり相手方と関係を持つため、親密度が高くなります。

ただ今回の事例のように親密であればあるほど、関係の終了が思わぬトラブルに発展することがあります。
具体的には、急に関係を断たれたことに裏切られたと感じ、職場や家族に対してバラすなどと脅迫したり、慰謝料や手切れ金などとして高額な金銭請求されることがあります。

そのほかパパ活で起こりうるトラブルについては、下記記事にて紹介していますのでご参照ください。
関連記事:パパ活トラブルとは?

そして、このようなパパ活トラブルで脅迫・恐喝に巻き込まれた際は自らで対応しようとせず、まずは弁護士に相談しましょう。
自らで対応してしまうと、状況の悪化を招きかねないからです。

最後に、男女トラブルで円満解決を考えていたら一度、当事務所へご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。