性行為を盗撮し、ネット配信 大阪の男に有罪判決

ニュース内容

女性との性行為を盗撮し、インターネット上で有料配信したとして、わいせつ電磁的記録陳列とリベンジポルノ防止法違反の罪に問われた大阪府藤井寺市の派遣社員の男(31)の判決公判が9日、神戸地裁であった。安達拓裁判官は懲役3年、執行猶予5年、罰金100万円(求刑懲役3年、罰金100万円)を言い渡した。

2020/3/9 18:16神戸新聞NEXT

弁護士からのコメント

今回のニュースは、女性との性行為を盗撮し、インターネット上で有料配信したとして、わいせつ電磁的記録陳列とリベンジポルノ防止法違反の罪に問われ、懲役3年、執行猶予5年、罰金100万円を言い渡されたというものです。

この点、性行為を盗撮した動画をインターネット上で有料配信した行為につき、わいせつ電磁的記録陳列とリベンジポルノ防止法違反と2つの罪に問われているのか不思議に思う方もいるでしょう。

結論から申し上げますと、それぞれの罪が保護すべきとしている法益が異なり、1つの行為で異なる法益を侵害したからです。
法益とは、法によって保護される社会生活上の利益のことをいいます。

わいせつ電磁的記録陳列罪(刑法175条)が保護すべきとしている法益は、健全な性秩序あるいは性的風俗という社会的な法益です。

一方、リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)が保護すべきとしている法益は、個人の名誉及び私生活の平穏という個人的な法益です。

すなわち今回のニュースでいえば、性行為を盗撮した動画をインターネット上で有料配信したことで、健全な性秩序あるいは性的風俗を侵害したとともに個人の名誉及び私生活の平穏も侵害したということです。

それゆえ、わいせつ電磁的記録陳列とリベンジポルノ防止法違反という2つの罪に問われています。

なお前者の罪において、「陳列」という言葉に違和感を覚える方もいらっしゃると思うので、こちらも簡単に解説いたします。

わいせつ電磁的記録陳列罪における「陳列」とは、人がその内容を認識できる状態に置くことをいいます。

そして判例上、サーバーコンピューターにホームページを開設し、わいせつな画像データを蔵置して、不特定多数の者が容易に見られる状態を作出することは、陳列に当たるものとされております。

ですので、今回のニュースにあるインターネット上での有料配信も、陳列に当たるといえるでしょう。

また後者の罪において、今回のニュースでは交際相手や元交際相手かどうか不明でありますので、なぜリベンジポルノ防止法違反か疑問に感じる方もいらっしゃるしょう。

こちらについては、以前に下記で解説しておりますので、よければあわせてご覧ください。

結論だけ申し上げると、交際相手や元交際相手であるかを問わず、そもそも他人に見られたくないわいせつな画像記録を不特定又は多数の者に提供等した行為につき、前述した個人の名誉及び私生活の平穏という法益を保護するために刑罰の対象にしているのがリベンジポルノ防止法です。

あと、下記解説にもありますよう、リベンジポルノ被害が増加の一途をたどっていますので、交際相手であろうがなかろうが、わいせつな写真や動画は絶対に撮らせないようにしましょう。

最後にリベンジポルノ含め性被害や犯罪に遭いそう、遭った際には、一人で悩まず遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。